突然ですが、商品と一緒にどんなものを同梱していますか?
まさか全員に同じチラシを入れている・・・なんてことはありませんよね?
そのまさかの方、ご安心ください。同梱物の重要性って意外と知られていないんです。
同梱物は、確実に開封され目に留まるもの。購入者一人一人に合わせたチラシを一番ベストなタイミングで同梱すれば、店舗のリピーターを増やしてLTV(顧客生涯価値)を引き上げることができます。
今回は、今さら聞けない同梱物についての基本や、「同梱物を入れる目的」について詳しく解説していきます!
まずは同梱物についておさらいです。
同梱物とは
EC業界における「同梱物」とは、「通販で買い物をした際に、商品と一緒に入っている物」のことです。
多くの事業者様は商品+チラシを送っているケースがあります。
この同梱物における売上最大化を目指した戦略には、様々な種類があります。
同梱物の種類
「同梱物」と一口に言っても実にさまざまな種類がありますが、大きくは次の3つに分けられます。
それぞれ順番に見ていきましょう。
購入商品に関連するもの
初回購入時や、定期商品のお届け時に同梱するチラシなどがあります。
サンプルからの本品・定期商品への引き上げや、定期解約を阻止するための有力なツールになります。まずこの同梱物は絶対に押さえておきましょう。
種類 | 同梱物の例 | 目的 |
---|---|---|
チラシ | 商品の使い方 | 商品に対する効果的な使い方やよくあるお問い合わせを共有することで、効果を最大限実感してもらう。 |
チラシ | 商品の効果紹介 | お客様が、望んでいる結果を得ることを想像して、喜びや希望を感じてもらうことで使用・購入し続けてもらう。 |
チラシ | お客様の声 | 第三者の意見を目にすることで、自社PRだけでは獲得できない信頼感を得る。 |
チラシ | アップセル | 「2個セットで購入すると●●円お得になります」という案内で上位商品購入を促す。 |
他商品に関連するもの
購入商品とは異なる商品のチラシやサンプルを同梱し、クロスセルを提案します。
一つの商品をある程度リピート購入し、商品や企業を気に入っていただいているお客様への商品発送時に同梱すると良いでしょう。
種類 | 同梱物の例 | 目的 |
---|---|---|
チラシ | クロスセル | 「この商品を購入された方は、こんな商品も買っています」という案内で他商品購入を促す。 |
サンプル | サンプル配布 | 実際に商品サンプルを同梱してお送りし、次回購入を促す。 |
その他
自社に対して良い印象を持ってもらうことを目的に同梱する挨拶状やお礼の手紙が代表的です。
特に手書きの手紙は、印刷した手紙に比べ目に留まりやすく、特に年齢層が高い顧客に喜ばれる傾向にあります。
種類 | 同梱物の例 | 目的 |
---|---|---|
チラシ | 代表あいさつ | 代表や会社の想いを伝え、信頼を得ることで、不安を取り除く。 |
手紙 | お礼の手紙 | 多くの商品から自社を選んで購入していただいたことに対する感謝の気持ちを伝えることで、感動を与える。 |
同梱物を入れる目的
同梱物を入れる最大の目的は、LTV(顧客生涯価値)の向上であり、店舗のリピーターになってもらうことです。
更に細分化すると下記の3つに分けられます。
①同一商品のリピート購入、定期商品の継続を促す
サンプルを購入いただいたお客様には本品・定期商品の購入を促すチラシを同梱し、リピート購入していただけるようしっかりフォローしていきましょう。
また、定期商品を発送する際には、解約阻止を目的として「お客様の声」「よくある質問」チラシなどを同梱するのもオススメです。商品を余らせがちなお客様に、使用頻度をあげる”使い方の提案”や”適量はどれくらいか”をご案内し、きちんと商品を使い切っていただくことで定期継続に繋がります。
②他商品の購入を促す
化粧品の通信販売などでよく行われる、別商品のサンプル・チラシを同梱する方法が代表的です。同梱物によってクロスセルが成功すれば1回あたりの購入単価がアップし、自然とLTV(顧客生涯価値)も引き上がります。
単品通販の場合はクロスセルは難しいと言われてきましたが、最近では成功事例も増えてきています。
特にロイヤリティの高い顧客には有効で、すでに特定の商品をリピートして良さを実感してくださっている場合、別の商品を勧められても「きっとこの商品も良いものに違いない」と思っていただけるケースが多く、買ってくれる確率が高いからです。
お客様との信頼関係ができているという場合には、ぜひ積極的に行っていきたいですね。
③まとめ買いを促す
サプリメントやダイエット商品などでよく使われる「3箱以上買うと◯◯円お得です!」といったチラシなどがあります。定期商品の継続率は回数を重ねるごとに下がる傾向にあるため、1回あたりの購入単価を上げてLTV(顧客生涯価値) を引き上げる手段として実践してみてはいかがでしょうか。
ただし沢山買うことで商品が余りがちになり、逆に定期継続率が悪くなるといった懸念もあります。繰り返しになりますが、一緒に使い方のチラシを同梱するなどして商品を使っていただく工夫も忘れずに行いましょう。
まとめ
ここまでお読みいただきありがとうございました。
簡単なようで奥が深い同梱物。「よくある質問」のチラシひとつとっても、もたらす効果は様々です。
この記事で、同梱物がLTV(顧客生涯価値)の向上において重要な役割を果たすということが、なんとなくでもお分かりいただけたら幸いです。
次回は「なぜECにおいて同梱物が大事なのか」について掘り下げてみたいと思います。
田口 涼子
2012年入社。ネットショップの販売支援業務を行う。
その後「楽楽リピート」の開発に携わり、現在はマーケティングを担当。
情報を素早く・分かりやすく届けることを心掛ける。
趣味はカロリー計算、特技は減塩料理