同梱物が重要なのは分かってはいるけど、
日々の業務に追われてやる時間がない・・・。
そのお気持ち、よく分かります。
たしかに同梱物施策を行おうとするとやることがたくさんありますよね。
同梱するチラシやサンプル品の制作に加え、物流スタッフへの指示や教育も必要です。
今回は、同梱物施策を行う際の注意点やデメリットを十分理解したうえで、効率よく進める方法を詳しく解説していきます!
同梱物施策は多少費用をかけてでもやる価値アリ!です。
前回の記事はこちらから
同梱物施策を行う際の注意点
同梱物を入れすぎない
あれもこれもとつい入れてしまいがちですが、多すぎる同梱物は逆効果です。
たくさんの同梱物に埋もれて、EC運営者が伝えたい情報が伝わらなくなってしまいます。
ポストにたくさん突っ込まれているDMを思い出してみてください。
ウンザリして丸ごと捨てた経験はありませんか?それと同じ状況が同梱物でも起こりかねません。
適切な条件設定と顧客のセグメントで、必要最低限数を同梱するように心掛けましょう。
同梱物の封入条件を複雑にしすぎない
あまりにも複雑すぎる条件は、混乱やミスを招きやすくなります。
例えば「初回購入と2回目以降の購入で同梱物を変える」といったシンプルな条件は問題なくても、下記のような例はどうでしょうか。
<複雑な封入条件の例>
- 「初回購入かつ◯◯の商品を買っている人」
- 「先着100名だけに◯◯をプレゼント」
- 「過去に◯◯を買ったことがある人で△△はまだ買ったことがない人」
- 「誕生月には次回使える30%OFFクーポンを入れる」
このような条件は、過去の購買履歴や顧客情報、キャンペーン実施状況などを加味する必要があり難易度が高くなります。
とはいえ、EC店舗運営者ならば実施したい施策ばかりではないでしょうか。
その場合はミスが起きづらいようにルール化したり、自動化するカートシステムを検討するなどの工夫が必要となります。
同梱物に費用をかけすぎない
同梱物は意外にコストがかかります。
A4のチラシ1枚はそこまで費用がかからなくても、ちょっと凝ったパンフレットやブックになるとコストがかさむので注意が必要です。
とくにサンプル付きのものは1セットあたり100円〜200円のコストがかかることも少なくないでしょう。
同梱する紙媒体やサンプルも立派な広告宣伝費(販促費)です。
同梱物のコストに関してもシビアに、きちんと顧客をセグメントして封入することでコストを抑えることができます。
同梱物のデメリット
前回までの記事では同梱物のメリットばかりをご紹介してきましたが、一応デメリットも述べておきます。
ただし、いずれも解決策がありますのでご安心ください。
①Web広告に比べて顧客セグメントが容易ではない
例えば「性別」「年齢」といった簡単な条件でも、同梱物はWeb広告に比べて条件設定が難しくなります。
なぜなら、発送する商品のほかに顧客情報を把握する必要があるからです。
例として挙げると、
「ダイエット商品を買った顧客が”女性”の場合のみ、女性向けのシェイプアップ商材に関するパンフレットを同梱したい」
といったケースは、女性か男性かを判別できなければ実施できません。
まだ性別であれば、納品書に記載されている購入者名で判断できますが、
これが「”60歳以上のシニア層”にサプリメントのサンプルを同梱したい」といった年齢での判別となると、途端に難しくなります。
②物流をアウトソーシングしづらくなる
同梱物の封入条件が複雑すぎるケースは、外部の物流会社で対応しきれない可能性があります。
難しい条件設定はミスを招く恐れがあるので断られるケースも多いです。
一方で、同梱物の需要が高まっていることもあり、柔軟に対応できる物流会社が増えてきました。物流会社によっては、チラシやパンフレットを”商品”として登録し同梱物施策を運用するケースもあります。
とはいえ対応しているのは大手の物流会社のみで、地元の倉庫では対応していないこともあるでしょう。
その場合の解決策として、同梱物の設定ができるカートシステムを検討するのも手です。
カートシステムで出来る同梱物施策
前章で述べたデメリットですが、いずれも解決策があります。
解決には多少費用や労力がかかりますが、同梱物はデメリットを克服してでもやるべきです。
何度もお伝えしていますが、特に単品通販・定期通販において同梱物は絶対に欠かせない施策です。
なぜなら、同梱物施策で定期への引き上げ率・定期の継続率が伸びることによってLTVが向上し、利益という形できちんと返ってくるからです。
ここからは、同梱物設定が可能なカートシステムを使って出来ることをご紹介します。
顧客情報や購買履歴をもとにした条件設定
カートシステム内に登録されている顧客情報や、蓄積されていく過去の購買履歴データを元にした条件設定ができます。
カートシステム未導入では難しかった複雑な条件も設定可能です。
また、一度設定さえしてしまえばOKというメリットもあります。
登録した設定内容で封入すべき同梱物がピッキングリストや受注伝票に印字されるので、指示誤りによるミスを防ぐことができます。
同梱物施策の効果測定が可能
せっかく同梱物施策を行っても結果を分析できなければ意味がありません。
エクセル等を用いてアナログで管理するよりも、カートシステムで分析するほうが早くて正確です。
ただし全てのカートシステムが十分な分析機能を備えているわけではないため、カートシステムを比較・検討する際は効果測定まで可能かどうかをチェックすることをお勧めします。
電話やメールなどで問い合わせる場合は、「◯◯を買ったユーザーに△△を同梱して、引き上げ率やその後の継続率が見たい」など、具体的な同梱物施策や分析したい内容を伝えると良いでしょう。
アウトソーシング先への同梱物指示も容易
最近ではカートシステムとデータ連携できる物流会社が増えてきました。
その場合、カートシステム側で出荷指示データを用意し、CSVファイルもしくはAPIでの自動連携で物流会社の倉庫システム側にデータ連携することになります。
一緒に封入してほしい同梱物リストを含めてデータ連携することで、
倉庫システム側では特に大きく設定を変える必要がなく、比較的容易に同梱物施策に対応してもらうことができます。(※カートシステムによって多少仕組みは異なります)
その場合のメリットとしては、自社のカートシステム内で設定を完結できるので、もし設定変更があった場合の対応が楽、かつ早いという点が挙げられます。
まとめ
ここまでお読みいただきありがとうございました。
同梱物施策はLTV向上が期待できる一方で、
コストも労力もかかるということがお分かりいただけたかと思います。
なのでとにかく最初の設計が大事で、あとはいかに効率よく行うかがポイントになります。
次回は「効果的な同梱物戦略と事例」をご紹介します。
田口 涼子
2012年入社。ネットショップの販売支援業務を行う。
その後「楽楽リピート」の開発に携わり、現在はマーケティングを担当。
情報を素早く・分かりやすく届けることを心掛ける。
趣味はカロリー計算、特技は減塩料理